運命を分かつふたりの魔女
みなさんこんにちは! ディズニーホテル&パークの思い出をガイドするソウダです!
いよいよ全世界待望の映画版『ウィキッド』が公開されました! 私も早速、初日初回の字幕を観に行ってきました😁「ミュージカルを観たことがないけど、映画は気になっている」人や、「ミュージカル版の大ファン」は楽しめるのでしょうか?
- ウィキッドファン
- ウィキッドの映画が気になっている人
- ミュージカルが好きな人
簡単にソウダの経歴も話しますと、アナ雪のイディナ・メンゼルからDefying Gravityを知り、この作品を知りました。そののち、2023年にウエストエンドで初めてウィキッドを観劇し、帰国後、2024年に劇団四季のウィキッドを観てきました。(上:Apollo Theatre 下:劇団四季 四季劇場 秋)




評価ポイント
『ウィキッド ふたりの魔女』は構想から実現まで実に10年以上かかった作品で、世界的にもファンの期待も高かった作品です。その映画版は、映像美とストーリーテリングでスケールアップしています😆
また、映画では『オズの魔女記』と『オズの魔法使い』を忠実に再現しているため、非常に深く描写されています。
💚台詞は舞台のそのままで、映画だからこそできる表現や追加されたシーン、ミュージカルからのマイナーチェンジで、登場人物の内面をより深く探ることができる。
🩷舞台では語られなかったことが語られることで、登場人物の人となりがより深くわかった。
ソウダが感じたこと
誤解を恐れずに言えば、重い! ほんとうに重い!
ディア・エヴァン・ハンセン以上に重いです。
ストーリーは知っているし、結末もわかっているけれど、誰にも救いがなくて観ていてつらかったです。ミュージカルでは(おそらく尺的に)表現されなかった人物描写が多くあり、結末がわかるからこそ、結果として犠牲になってしまうと気づきました。

ミュージカル版より丁寧に美しく描かれているからこそ、苦しい、、、😢
けれども、そのような感情は決して悪いことではなく、登場人物に共感する上でむしろこの作品の醍醐味でもあると感じます。
もちろん、ミュージカル版の比較して、キャラクターの印象も大きく変わりました。
キャラクターの印象の変化
💚エルファバ:陰キャでも、強力な魔法が使えるエリートじゃん。自分とは違う。と感じていました。ところが、実はコインすら空中に浮かべることすらできず、「感情の昂る時以外魔法を使えず、わけもわからぬままグリマリーが読めてしまった」「結果としてチスチリーを苦しめた」魔女として未熟な部分がありました。そこにはパワーのある生まれ持った天性(ギフテッド)のエリートなんかではなく、孤独で弱い等身大の姿があり、ソウダの心を最もしめつけました。
🩷グリンダ:自分にとってキャピキャピしたぶりっ子で、魔法の使えないただの落第生で、ただ注目が欲しいだけなんだなと感じていましたが、興味のないボックをその気にさせたり、ディラモンド先生が言葉を失っていくことに全く興味ないくせに、フィエロに気に入られたいためだけに先生に敬意を表して改名したり、もう、過剰なほどの八方美人でした。でもそれはグリンダはフィエロや魔法使いになることなど、欲しいものをただ手に入れたいだけで、ほんとうによいことだと思って行動して、結果的にすべてのトラブルの元凶になり、すべて失ってしまうと感じました。
💙フィエロ:ミュージカル版では影が薄く、調子に乗ったチャラ男で、平気でグリンダとイチャイチャしているのに、なんでエルファバに惹かれるのか全くわかりませんでした。映画ではフィエロとエルファバのシーンも丁寧に描かれ、エルファバと出会った時から、動物の権利を考えたり、エルファバが平気なように振る舞う姿に心をしめつけられたり、エルファバをバカにする他の学生とは明らかに違う態度をとっています。ミュージカルでは見られなかった姿が見えて、とても人間的で、現実離れした登場人物ではないんだなって感じることができました。それに、グリンダのことも初めからあまり興味がないように見えるところも、はじめからエルファバに興味を持っていたことがわかる部分だと思います。
🤎ネッサローズ:ミュージカル版では1幕と2幕のはじめ『総督の椅子』での荒れようの差が顕著で、その間に説明がされるわけではないため、急に自己中心的で、ボックを異常なほどに束縛する人物になってしまったかのようでした。映画では、父親から常に過保護に育てられ、エルファバに常に見守られ、友人と遊びにも行けず、ただ、普通の大学生として生きたかっただけだけなのではないかと思いました。入学のシーンではエルファバを疎ましく感じていたり、ボックにパーティーに誘われて心から喜んでいたりしているところからも、普通に生きる、自立する、ことがネッサの願いだと感じます。これがFor Goodでどのように変化するのか楽しみです。
ウィキッドを知らない人の反応
この日は、いつもお世話になっている友人を2人連れて行きました。片方はThe Wizの演出、出演の経験がありますが、2人ともウィキッドのストーリーも楽曲もまったく知りません。

事前情報なしだけれど、ウィキッドどうだった?

サルがおそってくるのこわかったっす

一番最初が一番ツラかった

迫力すごかったよね
一番最初のシーン、アリアナにグリンダと同じことを経験してほしいから一番最後に撮影したらしい

うわキッつ、、、
2人とも迫力にただただ圧倒されて、登場人物のFor Goodでの救いのなさを予感したようです。

また観たいかも、吹き替えも観に行くしかない
さいごに
『ウィキッド ふたりの魔女』は、丁寧に登場人物を描き、その迫力と本気の再現美で、ウィキッドを知らない人たちを置き去りにせずにオズの国の世界に連れていきます。
しかし、ミュージカル版より深められた人物描写や映画だからこそできる演出は、劇場の機知を超え、ストーリーを知っている人、ミュージカルを知っている人たちにとっても新鮮でセンセーショナルに響きます。
現代の私たちも長いものに巻かれ、簡単に手のひらを返して裏切りながら、他人を騙したり騙されたり、操作したりされたりしながら生きています。時には他人を忌み嫌い、避けて、避けられて心を閉ざします。真実も見えず、誰とも繋がれない私たちに「ウィキッド ふたりの魔女」はそっと語りかけ、「友情」というテーマで心を開いてくれるのかもしれません。
